欧米でがん治療における医学的リハビリテーションの体系化が系統的に進められたのは1970年代です。この時代には、米国でもリハビリテーションの必要性と実際に行うことのできるリハビリテーション治療との間には大きな隔たりがありました。この問題を解決するため、米国 NCI (National Cancer Institute )により、がん専門の療法士 が養成され、リハビリテーションを必要とする患者のスクリーニング体制、がん治療 チームへのリハビリテーション医の介入なども始まり、今や、がんのリハビリテーシ ョンはがん治療の重要な一分野として認識されています。
米国MDアンダーソンがんセンターは米国有数の高度がん専門医療機関ですが、18あるケアセンターのひとつに 「緩和ケアとリハビリテーション」があることからも、がんのリハビリテーションが 臨床現場で重要視されている様子が伺えます。