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がんのリハビリの歴史と現状
     
 

 
   
 欧米でがん治療における医学的リハビリテーションの体系化が系統的に進められたのは1970年代です。この時代には、米国でもリハビリテーションの必要性と実際に行うことのできるリハビリテーション治療との間には大きな隔たりがありました。この問題を解決するため、米国 NCI (National Cancer Institute )により、がん専門の療法士 が養成され、リハビリテーションを必要とする患者のスクリーニング体制、がん治療 チームへのリハビリテーション医の介入なども始まり、今や、がんのリハビリテーシ ョンはがん治療の重要な一分野として認識されています。 米国MDアンダーソンがんセンターは米国有数の高度がん専門医療機関ですが、18あるケアセンターのひとつに 「緩和ケアとリハビリテーション」があることからも、がんのリハビリテーションが 臨床現場で重要視されている様子が伺えます。
日本においては、診療科としてリハビリテーション科を有するがんセンターは 静岡がんセンターのみであり、欧米と比較してその対応が遅れていることは否めません。
 
【参考ホームページ】
MD アンダーソンがんセンター 緩和ケアとリハビリテーション医学部門
 
静岡がんセンターリハビリテーション科
 
  
【参考文献】
1)
水落和也 : 悪性腫瘍のリハビリテーション . リハ医学 38: 46- 57, 2001. 
2)
辻哲也 , 里宇明元 : 癌のリハビリテーションの概要 . 癌のリハビリテーションの歴史と基本的概念 . 辻哲也・他 ( 編 ): 癌(がん)のリハビリテーション , pp53- 59, 金原出版 , 2006.