骨転移に対する治療方針は、腫瘍の放射線感受性、骨転移発生部位と患者の予想される生命予後な どにより決定される。多くの場合で放射線照射が第1選択となるが、大腿骨や上腕骨などの長管骨転移 では、病的骨折を生じるとQOLの著しい低下をきたすため手術対象となることも多い。
理学療法に際しては全身の骨転移の有無、病的骨折や神経障害の程度を評価、骨折のリスクを認識し、 腫瘍専門の整形外科医と情報交換を行い、訓練プログラムを組み立てる。特に、長管骨や脊椎の骨転 移のある場合には、転移部に急な衝撃や大きなモーメント、捻転力が加わらないように留意する。リハビ リ開始にあたっては、患者、家族への病的骨折のリスクについての説明を十分に行い、承諾を得る必要 がある。 |