がんのリハビリテーションに関する研究活動を紹介します。 |
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@ご自身の学会発表・投稿論文など研究業績の紹介。 |
A英文の論文や書物の文献抄録。 |
B症例紹介。 |
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などなど、がんのリハビリテーションに関する話題であればなんでも構いません。 |
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【がんのリハビリテーションに関する研究 オーバービュー】 |
( 辻哲也 : がんのリハビリテーション最前線 現状と今後の動向 . 総合リハ 36, 2008 から引用、一部改変) |
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臨床研究の面からは 1970 年代から 80 年代に行われた臨床経験例の後ろ向き研究から一歩進んで、近年では原発巣別やリハビリの介入方法別に、ランダム化比較試験、メタ分析、系統的レビューが下記の とおり、数多く報告されている。 |
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@抗癌剤治療中や治療後の体力の低下や副作用の軽減に対する有酸素運動(全身持久力運動)の効果 1) 、 |
A乳癌術後の肩挙上障害に対するリハビリの効果 2 ) |
B肺癌・食道癌の周術期呼吸リハビリの呼吸合併症予防の効果 3 ) |
C頭頚部癌術後のリハビリ・口腔ケアの術後合併症予防・経口摂取率・入院期間に対する効果 4 ) |
D脳腫瘍(転移を含む)・脊髄腫瘍・脊椎転移患者の身体障害に対する入院リハビリの効果 5 ) 6 ) |
E緩和ケア病棟におけるリハビリの ADL や満足度に対する効果 7 ) |
F乳癌・婦人科癌のリンパ節郭清術後の上肢や下肢リンパ浮腫の予防や軽減に対する圧迫療法・リンパドレナージの効果 8 ) |
G頭頸部癌の頸部郭清術後の副神経麻痺発生のメカニズムおよび肩挙上障害に対するリハビリの効果 9 ) 10 ) |
Hその他 |
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がんのリハビリに関して、原発巣や治療的介入別に網羅したガイドラインは存在しないが、 AAPCR のがん疼痛ガイドラインでは運動療法が章立てされその有用性が勧告された 11 ) 。 |
ハーバード大の がん疼痛ガイドラインでも リハビリは推奨レベルとして勧告されている 12 )。 |
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また、リンパ浮腫については各国でガイドライン作りがなされている 13 ) 。 |
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【参考文献】 |
1) |
村岡香織 , 辻哲也 : IV. 癌のリハビリテーションについて知っておきたいポイント 3. 癌患者のフィジカルフィット ネス . 辻哲也 , 里宇明元 , 木村彰男 ( 編 ), 癌(がん)のリハビリテーション , pp357- 367, 金原出版 , 2006. |
2) |
近藤国嗣 : 乳癌 2)リハビリテーションの要点 . 辻哲也 , 里宇明元 , 木村彰男 ( 編 ), 癌(がん)のリハビリテーシ ョン , pp197- 205, 金原出版 , 2006. |
3) |
辻哲也 : 悪性腫瘍(がん)の周術期呼吸リハビリテーション . リハビリテーション医学 42: 844- 852, 2005. |
4) |
辻 哲也 , 安藤牧子 : 口腔癌 , 咽頭癌の周術期リハビリテーション . 多職種チームのための周術期マニュアル . 鬼塚 哲郎 ( 編 ), 多職種チームのための周術期マニュアル4.頭頚部癌 , pp 234 − 261, メヂカルフレンド , 2006. |
5) |
大田哲生 : 脳腫瘍、脳転移 2)リハビリテーションの要点 . 辻哲也 , 里宇明元 , 木村彰男 ( 編 ), 癌(がん)のリハ ビリテーション , pp82- 93, 金原出版 , 2006.
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6) |
赤星和人 : 原発性悪性骨・軟部腫瘍、転移性骨腫瘍 2)リハビリテーションの要点 . 辻哲也 , 里宇明元 , 木村彰男 ( 編 ), 癌(がん)のリハビリテーション , pp269- 276, 金原出版 , 2006. |
7) |
Yoshioka H: Rehabilitation for the terminal cancer patient. Am J Phys Med Rehabil 73: 199- 206, 1994. |
8) |
青木朝子、辻哲也 : リンパ浮腫治療のエビデンス . 緩和ケア 16: 44- 48, 2006. |
9) |
Tsuji T, Tanuma A, Onitsuka T, Ebihara M, Iida Y, Kimura A, Liu M. Electromyographic findings after different selective neck dissections. Laryngoscope 117: 319-322, 2007. |
10) |
辻 哲也 , 田尻寿子 , 市川るみ子 : 頚部郭清術後 . 多職種チームのための周術期マニュアル . 鬼塚哲郎 ( 編 ), 多職種チ ームのための周術期マニュアル4.頭頚部癌 , pp 276 − 298, メヂカルフレンド , 2006. |
11) |
Management of Cancer Pain Guideline Panel: Nonpharmacologic management: Physical and Psychological Modalities: Management of cancer pain. Rockville, MD : U.S. Dept. of Health and Human Services, Public Health Service, Agency for Health Care Policy and Research; 1994. |
12) |
Weiger WA, Smith M, Boon H, Richardson MA, Kaptchuk TJ, Eisenberg DM. Advising patients who seek complementary and alternative medical therapies for cancer. Ann Intern Med 137: 889- 903, 2002. |
13) |
Harris SR, Hugi MR, Olivotto IA, Levine M; Steering Committee for Clinical Practice Guidelines for the Care and Treatment of Breast Cancer. Clinical practice guidelines for the care and treatment of breast cancer: 11. Lymphedema. CMAJ 264: 191-199, 2001. |
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